幻ノN車両WORKsを紹介します。

3Dデータの設計

 車両の図面を基本ベースとし、100枚ほど写真を集め、1/160サイズに縮小した際の寸法を確認しつつ、写真と図面を見ながらワイヤーフレームのスケッチを描き、それからサーフェスを作成し、ソリッドの立体に作り上げます。ある程度の形が完成した後に、床下のデータや台車枠を作り、実際に走行できように微調整を繰り返し、理想的な寸法に仕上げていきます。

 基本データが完成したら、出力用のデータへとさらに仕上げていきます。歪み対策や強度を考慮しつつ、肉厚を増やしたりデータに直接歪み防止サポートを組み込みます。これはデータ上から現実なモノとする際に重要な作業となります。

3Dプリンターで出力(車両)

 車両の出力は8Kのプリンターで行います。サポートはスライサーソフトで付けるのではなく、数多くの出力経験から得たノウハウを取り入れた歪みや反りを極力抑えられるように独自に設計したサポートを付けています。

 出力後は水洗いレジンを使用していますので、すぐに水洗いをし、毛羽立たないペーパータオルでやさしく表面の水分を拭き取ります。この際、大きな傷などの造形不良ボツ品がないか検品します。

 車両内側はサポートがあり、ペーパータオルでは拭き取れないため、水切りをした後すぐにサーキュレーター乾燥を30分行います。その後、直射日光の当たらない場所で1日自然乾燥をします。

出力品の2次加工(車両)

 1日自然乾燥をさせた後、硬化機で表面を30分しっかりと硬化させます。この際、サポートを付けたまま硬化させることで形状を綺麗に維持できたまま硬化ができます。

 硬化後はお客様に除去をお願いしているサポート以外のサポート除去をいたします。ニッパーである程度切除した後、デザインカッターで仕上げのカットを施します。

 サポートを除去した後は別の硬化機で車両内側の硬化を6分行います。硬化後にしっかりと全面が硬化できているか確認し、梱包まで保存用のボックスに入れ、ほこりが付かないように蓋をして保存します。

3Dプリンターで出力・加工(クリア部品)

 窓部品は車両と同様に洗浄、サーキュレーター乾燥をさせた後に120秒硬化させます。UVカット光沢クリア塗装を施し、黄変とくすみ対策を行います。塗装後にさらに1日乾燥させます。

 乾燥後サポートを除去します。サポートを除去した面をさらに60秒硬化し、それぞれの号車ごとに小袋に入れます。

全ての出力品の2次加工まで終わったら梱包作業を始めます。

梱包作業

時間をかけて出力したものが、輸送中に傷付いたり破損を防ぐため一つ一つ丁寧に梱包をして、出荷、納品となります。